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映画「おおかみこどもの雨と雪」感想 [映画]

映画「おおかみこどもの雨と雪」感想

中学生&小学生の娘と一緒に行きました。

今回はネタバレあります。
内容を知りたくない方は読まないで下さい。


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最初は変身人間物かと思っていたのですが・・・。
どちらかというと母子家庭物の要素が強かったようです。

やたらと多い母子家庭物の映画。
しかも決まって死別ときていますね。
「コクリコ坂から」もそうだし「ももへの手紙」もそう。
たまには離別の話も観たい~というのは我が家の長女の言葉。
いえ、いいんですよ、死別の方が映画を進めるのに格好よく出来ますもんね。
死んだ父親(もしくは夫)を恋しがって泣くシーンとか感動させられますし。

独身時代の花、奨学生でアルバイト生活の割にはクローゼットに素敵なお洋服いっぱい持っていたような・・・(笑)。
苦学生には全然見えませんでした。
私の学生時代はあんなに服はなかったです。

花と彼のラブシーン。
長女はもちろん理解できる年齢ですが、小学生の次女に「なんでハダカなの?」と聞かれたらどうしようかと焦りました。
が、無言だったので助かりました(笑)。
映画館で周囲に響き渡るような声で聞かれたら、気まず~い雰囲気になりかねない・・・。

花の妊娠中に彼がキジ(?・・・だよね)を取ってきて、キジ鍋かキジ雑炊でも作ったのかと思ったら、出てきたのはウドン???キリタンポ???
よく分かりません~。

母子家庭物なので早々に父親を死なせないといけないのは分かるのですが・・・。
しかしもう少し上手な死なせ方があるのでは?
川で溺れたか何だか意味不明でしたけど、人間はかからないような狼の病気にかかって病院に行けずに死んじゃうとかの方がまだ納得出来た気がします。

わざわざドア前に食料と財布を置いて・・・なんて、まるで家族を捨てて出て行こうとしていたか、あるいは自殺としか思えませんでした。
観賞後に「自殺にしか見えなかった」と言ったら、中学生の長女も「私も自殺だと思った」と・・・。
まあ、子供が生まれたばっかりのこの状況で、自殺する理由もないような気もしますが・・・とにかく謎です。
語っているのが娘の雪なので、話の中で出てこなかっただけで、もしかしたらお母さん(花)は死んだ原因を知っているのかもしれませんが・・・。

ところで映画のタイトル「おおかみこどもの雪と雨」じゃないのはなぜ?
お姉ちゃんの名前の方が先に来るべきだと思ったのですが。
男優先って感じであまり良い印象がなかったです。
ただ単にアイウエオ順だと言ってしまえばそれだけかもしれませんが。

父親死後、わずかな父親の貯金で暮らしたようなことを言っていますが、その割には花は何年も働いていなかったように思えます。
あれだけ暮らせれば「わずかな貯金」ではなかったのでは?
「相当の貯金」がないと難しい。
遺族年金もらえるほど、お父さんが年金を払っていたようにも見えないし(あの若さでは無理)。
児童扶養手当はもらえたかもしれませんが、それにしても生活は大変ですよ~、相当な貯金がないと無職で子供二人を育てるのは無理です!(断言します)
「おおかみこどもだったから保育園に預けられなかった、だから仕事が出来なかった」ということなんだろうけど、それにしても何か甘いし納得できないなあと思ってしまいます。
離別と死別の違いで私とは感覚が違うんでしょうかね?

自転車に子供を一人乗せて、もう一人をおんぶ・・・危ないなあと気になりました。
自転車の前後に子供をそれぞれ(つまり二人を補助椅子)乗せるのは道路交通法違反というのを聞いたことがあるので、止む終えない対処?で映画でああなったのかもしれないですが。
うちはそんなことをしたことがないので、単純に危険としか感じませんでした。
我が家は4歳違いなので、長女を自転車の後部に乗せている時は次女は生れていなかったし、次女を乗せている時は長女はもう幼稚園に通っていたので。

児童相談所(だったっけ?)の人が訪ねてくるシーン。
現実にこれくらい公共が熱心なら、母子家庭もこんなに苦労しなくて済むのに・・・と思ってしまいました。
果たして同じ状況で現実に訪ねてくる所員がいるのだろうか???
もちろん!我が家には誰も来たことないです(当たり前か)。
児童福祉センターにはこちらから積極的に通っていたくらいですけどね(発達相談で)。
予防接種は受けた方がいいと思いましたけどね。
注射で変身を恐れたとか?
でもポリオの予防接種は注射じゃないですよねえ。
いろいろ理由が合って(アレルギーとか)受けられない人だっているわけだし。
まあ、それと一緒にしちゃいけないということなんでしょうけど。
定期健診行かなかったくらいで訪ねてくるかなあ?
某育児漫画家が健診には連れて行かなかった(もちろん理由があって)と書いていたのを読んだ記憶があるけど、虐待を疑われて誰か訪ねてきたってそんなシーンもなかったけど。

あとあのボロ家、修繕費用を浮かせようと自分で直していましたが、それにしても素人(しかも若い女の子)の修繕だけで、数年後、しっかり修繕終わっていて、屋根も畳もガラスも壁もしっかりした綺麗な状態になっていて・・・どう見てもプロの職人の仕業にしか思えませんでした。
最初は床も腐って落ちるくらいだったのに・・・。
壁紙張り替えやその他、相当お金がかかると思うのですが・・・。
だってうちの母が以前、何百万も修繕かかって女一人で維持出来なくて、家を手放したくらいですもん。
あれだけ綺麗にするには最低でも百万単位の金がいりますよ。

更に高校生のアルバイトより給料安いとか言っていた割には、いつの間にか自家用車まであったし。
維持費どうしてるの?(駐車場は無料としても、ローン、ガソリン代、車検代、保険代・・・その他)
ウチはいまだに車がないです。
ひがんでいるわけではないですよ。
ただ単に説明と暮らしが一致しないなあと不思議だっただけです。
家賃はタダ同然とは言っていましたが・・・。
電気も普通に来ているわけだし、水道だって湧き水じゃないとか言っていて水道代もかかっているだろうし、料理は?ガス?
雪が降るのだからストーブなど暖房関係の費用もいるし。
それで高校生のバイトより安い給料???
自給自足っぽい生活といっても仕事に出たら、畑ばかり耕してもいられないはず。

ラスト、雨は狼になって山へ入り、雪は中学に入って人間の道を選ぶ。
子供をわざわざ二人出しているわけだし、おそらく別々の道を選ぶんだろうな(そうでなければ子供は一人で充分)というのは序盤で想像つきます。
それを言ったら長女が「語っているのが雪だから、雪は人間のままでいると思った」と言っていましたが。
それにしてもふいに消えた雨の存在を周囲の人達は不審に思わなかったのか?
行方不明か死亡にしても大騒ぎになるはずだと思うんですけど・・・。
この親子、ちゃんと戸籍もあるわけですよね。
花は免許もあるし、子供も学校に通っているわけだし。

あの姉弟が取っ組み合いの大喧嘩しているのに、お母さん、けっこう冷静だったなあ。
うちならもっと怒鳴ってます(笑)。
「コラー!! 家が壊れる!」とか。

中学生の長女の感想
「ゴミ収集車に夫を連れて行かれたのに誰も恨まないのもおかしい」
「さんざん迷惑をかけた雨が、挨拶もなしに去るのはおかしい」
「雪の彼氏(ソウくん)のこの後が気になる。再婚したお母さんに見捨てられてどうするのか」
「お母さんは雪よりも雨を可愛がっているように見えた」
「あのお母さん、感情がない。怒る時は怒って欲しいし、悲しい時は泣いて欲しい。笑ってばっかりだった。あといろいろと甘い。自給自足している暇があったら、働けばいいのに」・・・だそうです。
「雨も雨で無愛想すぎ。顔も性格もお父さんそっくりだ。父さんも何も言わずに去って行ったし、雨も何も言わずに去って行った」
「どれだけ探したと思ってるのよ!とか、お母さんも雨に叫んでもいいのに・・・」と長女。

いやいや、すみません。
我が家のママはけっこう感情豊かですからねえ。
ヒステリックになるし(笑)。
働いて帰ってくると「疲れた~」で、娘に「茶碗洗っておいて、あとよろしく~」
朝も「ゴミ出ししておいて」ですからねえ(笑)。
そういえば雪ちゃんが茶碗洗いしていたシーンはなかったな。
あ、畑は手伝っていたような・・・。
草平くんについては後日談みたいな感じのものが欲しかったです。
彼のお母さんは妊娠中でつわりで具合が悪くて迎えに行けなかったとか、赤ちゃんが熱出して行けなかったとか・・・理由あるでしょう?
本当に見捨てたわけじゃあるまいし、何かフォローは必要では?
雪より雨を可愛がっている~については、雨の方が身体が弱く放っておけなかったから。
雪はしっかりしていて手を掛ける必要がなかった・・・と思うのですが。
しかし思春期の娘にはちょっと理解不能だったようで。

雪は中学生になって寮生活になるそうですが、それに対して「中学に寮なんかあるの?」と長女が。
公立で寮って? 私も知りません。
私立ならあると思いますが。
いえいえ、民間の下宿のことを言っているのかも・・・。

花が子育てに必死なのは分かりましたし。
花が雪に作ってやったのはワンピースではなくジャンパースカートだろうというのはおいておいて・・・。
田舎の近所のじいちゃん、奥さん達が親切でなので救われました。
もっとも私自身は母子家庭だからって、近所の方に親切にして頂いた記憶はないですが(世の中、そんなに母子家庭に甘くはない。むしろ厳しい)。
うちも親切にしてもらいたいもんだ(苦笑)。

しかし子供が巣立った後、このお母さんどうなるのかな~と自分に重ね合わせて心配になっちゃいました。
大学も休学とか出ていたけど、おそらく中退?だろうし・・・。
まだ若いし雪も出て行っちゃったし、いっそ再婚した方がいいんじゃないかとさえ思いました。

この映画、おそらく感動する人とそうじゃない人が分かれると思います。
花って女一人でちゃんとしっかり立派に子育てしてるなあと思う人・・・いると思います。
しかし産んだからには育てるのは「当然」なんです。
育てず放置したら、それこそネグレクト(虐待)です。
子供にご飯を食べさせて住むところ、衣服を与えるのは親として「やらなければいけないこと」なんです。
だから花は母親として当然のことをしただけです。
そこに感動は必要ないです。

泣いた方も多かったのかもしれませんが、我が家、三人共、まったく泣けるシーンがありませんでした。

いろいろと突っ込みどころ満載ではありましたが・・・。
これだけ考えさせられる部分が多くて、印象に残る映画も珍しいです。
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